2006年 05月 01日
そして最低な日曜日 _2 |
待ち合わせ場所には約束の時間より10分早く着いた。お化粧室に行って、最後のチェック。私は平静でいられているか、見せてはいけない痕跡が残っていないか。。。こんなことが冷静にできるだなんて思っていなかった。いざとなれば、意外とできてしまうものなんだと変な感慨にふける。
彼はやっぱり上機嫌だった。朝からお酒を飲んだらしく、少しハイテンション。まだ飲みすぎになる前の気持ちのいい状態で、いつもより饒舌。普段は口数の少ない人なのに、今日は色々話をしてくれる。色々聞かれたり無言になったりするよりはありがたいので、彼の話をうんうんと聞くのに徹する。そして私が嘘をつかなくていいように、昨日の夜のことは何も聞かないで欲しいと願う。黙っていることと嘘をつくことは違うと思うから。
上機嫌な彼は、ナスカ展に連れて行ってくれた。私が以前に行きたいと言っていたことを思い出してくれたらしい。しかも、昨日ナスカに関するDVDを観たらしく、展示を見ながら予習した知識で解説を加えてくれる。人が多くてとても混んでいたので、手を繋いではぐれないようにしてくれる。そして私の腰周りに触れて、「少し痩せた?」とリップサービス。
どうしてこういうタイミングで優しいんだろう。どうしてこういうタイミングで誘うんだろう。この間再放送していた不機嫌な果実の中で、「浮気をすると旦那に優しくなれる」っていうセリフがあった。今さらながらそれに納得。私たちはいまお互いに、罪悪感を償うために相手に優しくしている。表面的にはとてもうまくいっているように見えるけれど、心の中はちぐはぐ。そしてそのちぐはぐを埋めるために、久しぶりに彼が私を誘う。
でも、お腹がすいては戦はできぬ?まずはご飯を食べようということで、焼肉店に入る。今朝笑いながら半分シリアスになりながらした話を思い出す。残り香を消すには、別の香りをつけるべし。だから焼き肉?彼はもしかしたら気づいていたのだろうか...その後彼の家に行く。焼き肉の匂いが付いてしまったし、今日は暑くて汗をかいたからお風呂に入ってから・・・という私のささやかな願いは叶えられなかった。本当に最低。本当に本当に。
久しぶりにした彼とのセックスは、彼の償いの気持ちと私の罪悪感でいっぱいで、全然気持ちよくなかった。精神的な充実感が得られないセックスは、苦痛でしかないんだ。神様が私に与えた罰みたいだった。こんなに悲しいセックスをしたのは初めて。
by xxx-usagi-xxx
| 2006-05-01 22:35